2011年6月29日水曜日

森羅本店 ~飲茶の会~

森羅本店 ~飲茶の会~


神奈川県小田原市本町2丁目14-16

tel: 0465-23-0318
open hours: lunch 11:30-14:00
                dinner 17:00-22:00

website: http://www.0465.net/omise/shinra-honten/
price: lunch 1000yen-2000yen
        dinner 3000yen-5000yen

Note: this event taken place on June 26, 2011 was a lunch/ dinner course presentation for regular visitors noticed in advance. 

注意: 飲茶の会は、事前に開催の告知を受け、当日は終日店舗貸し切りにて行う完全予約制のイベントです。

日時:平成23年6月26日(日) 昼の部 12:00~ 夜の部 18:00~
会費:4000円

飲茶の会メニュー
前菜 1品目 チャーシュー
 
チャーシューは、はちみつ漬けにしてあるのだろうか表面に光沢があり、つや良く仕上がっていた。肩ロースを使用している割には、少し固めで若干甘め。個人的には、もう少し塩気があるほうが好きだが、肉の臭みは一切感じられず、肉の脂身がとても美味しかった。

前菜 2品目 なます
  なますは、かぶ、しょうが、にんじんを甘酢につけたもの。そこに中国山椒を使用し、ピリっと引き締まる味付けにしていた。全体的に甘いものの、中国山椒の香りとしびれるような辛さがアクセントになって、シンプルながらも工夫の凝らした1品だった。

小籠包

  小籠包は、上の部分はスープを閉じ込めるためだろうか皮の部分が若干厚く感じた。そして、出来立てが出て来たものの、もう少し熱々でもよかった。(どうしても他の参加客と合わせて一遍に持ち運ぶからその間に冷めてしまったのだろう。)スープ、味ともに申し分ない塩気で豚の脂の風味で旨み、コクを補っていた。そこにしょうがと香酢のアクセント。絶妙の組み合わせだ。

焼きフカヒレのコンソメスープかけ
フカヒレを焼くとは、前衛的なアイデアだ。皮の剥いた焼き茄子と表面を炙ったフカヒレにコンソメスープをかけたもの。薄味で素材本来の食感、香り、風味を存分に楽しめた一品だった。フカヒレは、炙ることによって香ばしさが増し、コンソメのコクと加わり旨みへと変わる。手の込んだ一品だ。

小海老のモチモチクレープ包み
プリプりとした海老が姿を覗かせる
  飲茶でもよく目にする一品だと思うが、これもシンプルそうに見えて、実に手の込んだ一品だ。海老を一度油通しし、プリっとした食感と色のツヤを出す。上新粉のようなもので生地を作り、そこに具材を巻いていく。ソースは、中国醤油と日本の醤油と水によく炒めたねぎ油。あと引くような香ばしさにぷりぷりともちもちとした食感。添えてあるシャンツァイと一緒に食べれば、さわやかな香りが加わり、ねぎの香ばしさと醤油の塩気によく合う。

鶏と魚介の茶巾包み
中身は、たくさんの具材  
  12品頂いた中で私が一番気に入った一品がこれだ。なんと言ってもその手の込んだ仕事には、圧巻。まず、包んである茶巾に見立てたものは、実は卵白を薄く引いて、焼いて、具材を包んだ後に蒸したものだ。その具材は、鶏肉、いか、しいたけ、海老、たけのこと香り、出汁の出る食材をふんだんに使用している。ベースのスープは、シンプルに中華スープだが、具材が出汁のコクを出す役割を果たす。とにかく美味しい! そして、刻んである緑色は三つ葉を細かく刻んであしらったもの。シェフは、彩り、香りと細部までこだわり、決して妥協をしない。

小田原鯵の北京ダック風
断面写真
シェフは、工夫を凝らすだけでなく、地元の食材、旬のものを取り入れることも忘れていなかった。細部まで客をもてなすその心はすばらしいと思った。小田原の鯵をフリッタのように揚げ、レタス、千切りのきゅうりを加え、北京ダックを食べるときの皮で巻いたもの。中に入っているソースは、旬の梅を使った梅肉のソース。思った以上に果実感があり、甘い。ソースというよりかは、梅のジャムかもしれない。梅肉のソースを使用することで鯵の青臭さかき消す役割も同時に果たしているのだろう。驚きの連続だ。

半ば過ぎて、この量。とても全部で4000円とは思えない凝った料理の数々。私は、このときすでに腹6、7分目。でも、この先もいつものように厳しい目で料理の数々を評価していく笑

帆立貝の焼餃子

断面写真
いわゆる私たちの想像する焼き餃子とは、一風変わったものが出て来た。表面は、カリッと、中はふわっともちもち。ここにもシェフのこだわりが伺える。中に使用している食材は、くわいと貝柱。シンプルだが、くわいのシャキシャキとした食感。貝柱の出汁がモチモチの生地に染み込み、風味が口の中全体に広がる。一番下に豚の背油を敷き、ダンチン?という片栗粉でつないだ食材をミルフィーユ状に重ねていく。一番上には、刻んだパセリ、卵の黄身、ハム。これを一度蒸して、さらに表面がカリカリになるまで焼き上げる。どの食材もインパクトがあるが、主張しすぎることなく、うまくバランスが取れている。不思議な食感と味のコラボレーションに感動。

和牛肉のシチュー四川風
フランス料理で出てくるようなシチューほどくどくなく、牛すじ肉としいたけの出汁のよく利いたシチューだった。味は、オイスターソースを使用したような風味だが、オイスターソースは使用せず、豆板醤とにんにく、お肉の出汁を合わせて煮込んだそうだ。この料理は、一歩間違えると機内食で出てくるようなあんかけご飯にもなってしまう。その調理方法は、紙一重だ。豆板醤の塩気が強いため、白米を添えて食べるとちょうど良い。

しかし、料理も終盤へと近づき、ここでシチューは個人的にかなりきつかった。


地鶏の薬膳スープ
鶏ベースのシンプルなスープは、黄金に輝いていた。具は、シンプルに出汁のとった地鶏のみ。味付けは、塩+薬膳(香辛料)。シチューのあとにすっきりとしたスープ、口の中に染み渡る鶏の出汁とすーと喉に効く香辛料。良い口直しになった。

胡麻団子
  これも飲茶では定番のデザートだが、ここでもシェフは工夫を凝らし、餡に想像もしないある食材を使用していた。餡は、甘しょっぱいバランスの取れた甘さだ。そして、油も多少吸っているからかサラっとしたゆるい餡だった。そこに若干だが、酸味が加わる。この酸味こそが想像もし得ないある食材の正体。それは、レーズンだった。刻んだレーズンを使用し、餡のくどさを最小限に抑え、油で揚げる。胡麻の香ばしさと餡のほど良い甘さがよく絡み合う。うん。ただただ驚くばかり。

杏仁風味のアイスクリーム 苺ソースかけ
 最後のデザートは、なんともさわやかで可愛らしいデザートだった。バニラビーンズをふんだんに使ったバニラビーンズにアーモンドパウダーの豊かな風味。クリーミーな杏仁豆腐のような味わいだ。そこにさわやかさをプラスする生クリームと苺のソース。苺の甘酸っぱい味とベリーの風味は、杏仁の香りを殺すことなく、うまく引き立てる役目を果たしている。揚げ物続きだっただけにこの爽快なデザートは、すんなりお腹に収まり、口に残るくどさを一瞬にしてかき消してくれた。シンプルに美味しい。

全体的に大大大満足の内容だった。こんな手の込んだ料理と食材を使ったお料理を提供して4000円は、返って申し訳ないくらい。今回は、家族と参加したが、中には1組10人の団体で全員が料理研究家とプロも参加していた。プロをも魅了して虜にする料理を提供する森羅。そのコストパフォーマンスは、毎回驚かされるほどすばらしい出来。ぜひ一度試してみては。

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